取り乱す漱石氏

我が家のケヅメヒョウモン、一夜は、殺カメの前科があります。

一夜を見たことのあるカメ屋さんのおっちゃんからも、

「あいつは性格悪いですよ～；」

とお墨付きをいただいているほど。

我が家において、そんなギャング一夜に唯一立ち向かえるのが、ヒガシヘルマンリクガメの漱石氏。

うちで一番の古株リクガメで、オットのお気に入りです。

多少のことには動じない気の強さと、精力の強さには定評があって、時々カメ屋さんの要請を受けて出張しては、子作りに励んで帰ってきます。

一夜と一緒にリビングに放つと、一夜を追い掛け回しては、顔を覗き込んだり、後ろ足に噛み付こうとしたり。ギャング一夜が反撃するかと思えば、漱石氏の迫力に気おされるように、首を引っ込めて座り込んでしまうほどです。

そんな、怖いもの知らずの漱石氏が、珍しく、らしくない姿を見せてくれるのが――

温浴のとき。

ジタバタジタバタ…。

ジタバタジタバタ…。

シャワーをかけると、首を伸ばして気持ちよさそうにするアルダブラーズとは対照的。

お風呂の中で暴れまくり、グルングルン回転します。

エンドレスです。

すごい体力です。

だから、お風呂上りは放心状態でぐったり…。

「何しやがるんだ…死ぬかと思ったぜ」

とでも言いたげですｗ

普段のふてぶてしい顔はどこへやら。

かわゆいやつめ。

うぷぷ！

そんな苦難を乗り越えた漱石氏には、お詫びの品としてキュウリをお贈りしました。

くんくん…匂いを嗅ぐこと一秒。

バクリッ！！！

あごが外れそうな勢いで、ワイルドに喰らいつく漱石氏。

もうすっかりいつもの調子です。

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