音の卵づまり

ツマがエア子と放浪している間に、カメ部屋では静かに事件が起きていました。

「音、最近、調子悪いよね…」

オットが言い出したのは、2月の最終週。

音は、ヘルマンのメス。

漱石のお嫁さんです。

寒い時期のカメたちみんな、あたたかい時期に比べて動きが鈍くなるので、音の動きが少ないことは気にしていなかったツマ。

エサ食いが悪いのは気づいていたんですが、こちらもそれほど気にしていませんでした。

「そんなに？　脱水？」

「うーん…ありうるね」

「もしかして卵？」

「うーん…温浴させると沈むから、持ってるとは思うんだけど」

ということで、すぐに、産卵用の個室を用意しました。

まぁ、見たまんま、衣装ケースなんですが；

うちのヘルマンズ女子は2匹とも、我が家での産卵経験があります。

卵を持つとエサを食べなくなる、と行きつけのカメ屋さんに聞いていたのですが、うちのヘルマンズ女子は二匹とも、産卵前もモリモリ食べていました。だから、今回のエサ食いの悪さが妊娠の兆候だということに思い至りませんでした。不覚。

甘い物なら食べるかと思って、イチゴをあげたりしたのですが、なかなか食べようとしない音。

ごめんね、音。

夏目も心配そうです。

しばらく様子を見ていたのですが、音に変化はなく、オットも心配顔。

「ちょっと、カメ屋さんに相談してこようかな」

「えっ、ちょっ、あたしも行く！！」

ということで、大急ぎで確定申告を片付けて、行きつけのカメ屋さんに行ったのが3月4日のことでした。

いつも頼りにしているカメ屋さんは、自宅から車で2時間ほどのところにあります。

ちょっと遠いけど、信頼できるカメ屋さんがいてくれると、本当にありがたいです。

音の状況は、オットがあらかじめ伝えてあったらしく、

「もっと早く相談して欲しかったですねぇ」

と、お叱りを受けてしまいました。

夫婦そろって反省です。

「考えてたんですけどね、たぶん卵づまりだと思うんですよ」

「「卵づまり？？？」」

カメ屋さんのおっちゃん曰く、産気づいて卵を産もうとしたタイミングで埋める環境になかった場合（たとえば、卵を埋める土がなかったりとか）、卵が詰まってしまうことがあるそうです。そして、卵づまりは、春・秋によく相談される症状なのだそうです。

音は、不定期で漱石と同じ部屋で飼っています。

そのときに、もしかしたら産卵しようとしたのに産卵できなかった上、漱石がいたので、卵を抱えた状態なのにさらに無精卵を作ってしまったのかもしれない。要は、お腹の中が卵でいっぱいかもしれない、とのことでした。

オロオロするツマを横目に、カメ屋さんから対処法を聞くオット。

なんだかすごいことになってきたな…。

そう思いながら、天井のカメレオンをマジマジ見ていたツマ。

見ていたら目が離せなくなってしまいました。

カメレオンの手ってかわいいなぁ。

カメ屋さんで、モモンガーズ用のコオロギを大量買いして帰宅したのが23時。

すぐさま聞いてきた通りの対処法にトライ。

多分明日の朝には、音の寝床に卵が転がっていると思いますよ、と言われたけど…。

今日は心配なのでカメ部屋の横で様子を見ながら就寝。

音、がんばって！

翌日の朝。

「産んでるよ！」

オットの喜びの声に起こされました。

音の寝床に卵が転がっている卵。

全部で4つあります。

「やーったね、音♪」

夫婦そろって一安心。

音をゆっくり休ませながら、卵を見守ることにします。

※3/7追記
誤解を招きそうだったので、一部の記事を修正しました。

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